UAV(ドローン)による森林資源情報について
(オルソ化及びDSMデータの作成方法)
はじめに

 UAVの取り組みを始めたのは、平成23年の時に、某電気屋さんでカメラ付きラジコンヘリを見つけたのが始まりで、それから「ar drone 2.0」から「初代dji phantom」→「DJI F550」→「dji phantom 2」→「dji phantom 3」と時代とともに変化してきました。今では、dji phantom 3にHDMI出力を増設し、ゴーグルカメラによる夢のFPVシステムを楽しんでいます。

(H27年11月現在のマイ UAV)
 そして、最近国有林の方達とちょっとしたUAV検討会を行ったときに、UAVでオルソ画像を作成できたらいいなという話になりました。私も3年前に試みてはいたのですが、どうにもうまくいかずあきらめていたのですが、ムラムラと研究心がかきたてられて色々とネットを調べてみました。40万くらいするソフトを使えばできそうですが、お金もちではないので無料でできないものかと必死に調べました。
 その甲斐あってか、なんと!無料でオルソ化するのに成功しました!!(泣)。すごいですね〜 科学の進歩は素晴らしい。
   
(左がオルソ化データで、右がDSMデータ)
  
(なんと、3Dモデルもできてしまうなんて・・・・すごすぎ!感謝!)
★作成方法紹介★
DroneDeplo
yによるオルソ化の方法

1.DroneDeploynに登録する

専用ソフトは依然として1ライセンス40万円とか私には到底無理なので、色々と調べた結果、ソフトをインストールするのではなく、クラウドサービスによるデータ作成が最近できるようになりました。その名も「dronedeploy」というウェブサイトです。ちょっと重たいですが素晴らしいです。

https://www.dronedeploy.com/


右上の「Tri It free」をクリック  フリーなので無料のはず!


NameのFirstNameとLastName に苗字と名前を入れます(英文字)。
Emailの自分のメールアドレスを入力(YahooメールでもOK)
Passwordにパスワードを、ConfirmPasswordにも確認で同じパスワードを入力。
Please select your industryはプルダウンより適当なのを選ぶ。
Create My Account をクリック。

これで登録完了です。
2.データの準備

早速データをクラウドにアップロードするのですが、素材となるデータを準備します。ここで重要なのが、用意する空中写真にはあらかじめ緯度経度標高などのデータが埋め込まれている必要があります(ふつうの画像だとエラーメッセージが出ます)。dji phantom 2及び3で撮った空撮画像(写真)にはあらかじめデータが埋め込まれているので、特に何も考える必要はありませんが、GoProの写真や映像からおこした画像ですと、カシミールなどで緯経度などのデータを埋め込む必要があります。ちなみに、phantom3の映像なら一緒に画像ファイルと一緒に拡張子SRTのファイルが付いています。どうしても映像からデータがほしい場合は、このSRTをメモ帳などで開けば、撮影時間単位の情報が入っていますので、これからデータを埋め込めば良いかと思います。
 空中写真の撮影方法は、まだ色々と試験中ですが、オルソ化を目的にするのであれば、レンズ向きは真下にしてオーバーラップ40%程度で撮影すると良い感じです。かなり適当でも自動で補正してくれているようです。素晴らしい!
3.データのアップロード

これがメイン画面です。

右のMap Engineをクリック!


Uploaded Survey には、適当なファイル名を入力(日本語もOK)
TerrainとStructures という2種類の選択肢がありますが、前者は「地図用」後者は「建物用」だそうです。とりあえず、TerrainのままでOK。
準備ができましたらSelect Photosをクリック。
1.で用意した写真をすべて指定して開く。
一番下に新たに「Continue Anyway」と表示されますので、準備ができたらクリック。


地図と撮影ポイントが表示されますが、とりあえずグリーンのFinishをクリック。
Issues Detectedの画面が出ますので、またまたグリーンのContinue Anywayをクリック。


こんなような画面になってアップロードが開始されます。
あとはひたすら待ちます。長い時には1時間以上かかる場合もありますし、なぜか途中で失敗する場合もありおます。失敗する場合は、体感的に無茶な(合いそうもない)画像が入っているとエラーになりやすい気がします。


アップロードが終了すると上記の画面が表示されますので、Return to Dashboard をクリック


Processingとなっているのが、現在画像解析中の意味です。枚数が多ければ多いほど時間がかかりますので根気よく待ちましょう(私のモバイルルータですと遅いので40毎で1〜2時間程度かかりましたが、光回線だと数分で終わりました)。たまに再読込をすることでMapに表示が変わったら解析完了です。
(たまに、赤でFailedとなる場合がありますが、オーバーラップできる部分が少ない写真で合成が失敗している場合に出るようです。)
 ちなみに、Processingとなっている場合は、Map Engineで新しいマップを作成しようとSelect Photosをクリックしても反応しない場合もあります。
※phantom 2の写真は広角レンズなので写真が歪んでいるせいか、解析時間がphantom 3より長いような気がします(実際に8時間程度かかりました)。そして、作成されたオルソ図面も位置がずれているような気が・・・

3.作成したデータの見方及びダウンロード

Mapをクリックします。
すると、既存の航空写真状に作成されたオルソ画像(ゆがみ補正済み)が表示されているはずです。若干ずれている場合もありますが、ほぼ自動でここまでできるなんて、本当に感謝です(泣)。
  
とりあえず、作成されたデータがどのようなものか確認してみましょう。

少し時間がかかりますが、それぞれのモードで表示されているはずです。色々と試してみてください。


 しかし、せっかく完成したデータでも、このままではウェブ上でしか確認できないので、データをダウンロードしてみましょう。

 ダウンロードするには、Exportをクリックすると、上の5種類がダウンロードできます。私がよく使うのは、Digital Surface Model(DSM数値表層モデル)とOrthomosaic(平面にゆがみ補正されたオルソフォト画像)、3D Model(立体モデル)の3種類です。

 では、このデータの実際の使い方例とし
4.ダウンロードデータの利用方法

 Digital Surface Model(DSM数値表層モデル)とOrthomosaic(平面にゆがみ補正されたオルソフォト画像)は、座標値が設定されているため、QGISなどのフリーのGISソフトでそのまま使用できます。(GISソフトによっては座標系の設定変換が必要)。

 3D Model(立体モデル)の利用方法ですが、これは立体モデルなので普通にOBJファイルが扱えるCADソフトなどで表示ができますし、3Dプリンターでの印刷も可能かと思われます(私は持っていないので確認できません)。

 OBJファイルが扱えるお勧めのフリーソフトを紹介します。

「Hira3DViewer」
・とにかく軽い。単体でも動く。体積や表面積の計算が一発でできる。
http://www.hiramine.com/software/hira3dviewer/index.html

「MeshLab」
・きれい、画像をぐりぐりするのがやりやすい。
http://meshlab.sourceforge.net/

「AUTODESK123D Design」
・画像処理のクラウドシステムの定番AUTODESK123D Catchの3Dデータ表示ソフト。
http://www.123dapp.com/design

沢山あって、調べきれません。良い解析ソフトあったら教えてください(笑)。
4.その他のクラウドサービス

 AUTODESK123D Catch
・言わずと知れた、3D画像解析クラウドシステムの定番。しかし、素材の写真がかなりシビアじゃないと生成されないようです(航空写真は特に)。

http://apps.123dapp.com/catch/

Autodesk ReCap 360
・こちらも結構シビアですが、使い勝手はこちらの方が上かも。

http://recap360.autodesk.com/


以上、結構衝撃的な内容だったので、取り急ぎホームページにアップしてみました。これからUAVが林業部門で確実に普及されるものと確信しました。また、新たな情報があればアップします。乞うご期待?
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